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吹き抜けのあるリビングは後悔する?デメリットの対策や実例を紹介
リビングに吹き抜けを設置する住宅は、明るくおしゃれで過ごしやすそうなイメージがありませんか?実際、マイホームに取り入れてみたいと考える方も多いでしょう。
しかし一方で、デメリットが気になるといった声もよく聞きます。
そこで本記事では、吹き抜けをリビングに採用するときのデメリットや対策法をわかりやすくお伝えします。吹き抜けのあるリビングを設計した住宅の実例も載せていますので、メリット・デメリットの双方を把握しながらデザインを検討してみましょう。
吹き抜けのあるリビングのメリット
吹き抜けをリビングに設置するメリットとして、よく挙げられるのは以下です。
・リビング全体が広くなり、開放的に見える
・自然光を効率良く取り入れられる
・おしゃれな印象になる
・縦の空間を活用した間取りを実現できる
・家族と会話する機会を増やせる
1階と2階の間にあえて床を張らず広々と天井を見上げられる吹き抜けは、視界も広くなり開放感をアップできます。窓を高い位置に設置できるため、明るい光が室内に届くだけでなく、通気性も向上させられる点も魅力です。
また、吹き抜けがあることで天井や窓のデザインも自由に演出でき、こだわりの空間に仕上げられます。縦の空間を有効活用して、収納スペースやロフト空間などを設置するのもよいでしょう。
そして、家族間のやり取りを増やせるのも吹き抜けならではのメリットです。吹き抜けを通じて上下階で会話が可能な点に加え、リビングに階段を設置すれば帰宅時には必ず顔を合わせられるので、安心感も倍増します。
吹き抜けのあるリビングのデメリットと対策
反対に、リビングに吹き抜けを設置するデメリットも存在します。ここでは、特に気になる人が多いとされるポイントを4つチェックしておきましょう。
外気の影響を受けやすい
吹き抜けは、開口部を広く取りやすく通気性や採光性を高められる一方で、外の暑さや寒さがダイレクトに伝わりやすい特徴があります。
たとえば、夏の暑い時期には強い日差しが差し込み、屋根からの熱も届きやすくなるため、室温が上昇するでしょう。冬であれば、冷たい外気が窓を通して室内に伝わり、寒さによる冷えが気になるかもしれません。
対策としては、断熱性の高い窓や外壁・屋根材を活用し、外気の影響を受けにくくするのがおすすめです。窓の場合は、ペアガラスや樹脂・木製サッシがよく利用されています。外壁や屋根には断熱材を入れることで、外気の浸入を防げるでしょう。また、窓の設置場所によっては室内にブラインドやロールスクリーンを取り入れて、直射日光を遮断できる環境を作るのもおすすめです。
料理のニオイが広がりやすい
リビングにキッチンやダイニングを併設するLDKの場合は、調理中の香りが吹き抜けを通して上階まで届くことが心配されます。
壁や廊下に囲われていない吹き抜けでは、料理の香りがそのまま上階にたまるため、2階の間取り内で香りが充満するでしょう。香辛料を使うカレーやニンニク料理などを作っているときには、特にニオイが気になるかもしれません。また、2階で勉強や仕事に集中している家族がいるときには、料理のニオイが作業の妨げとなる可能性もあります。
そのため、家族の生活に合わせてニオイの広がりを抑えたいときは、キッチン部分だけを壁で囲う個室風の間取りが適しているでしょう。壁があることで香りを軽減でき、室内も快適に保てます。また、プライベート感のあるキッチンを演出できるため、生活感を減らして落ち着いた印象にしたい方には向いているでしょう。
他にも、空気がたまる上階部分に換気扇や窓を設置して効率よく外に空気を排出する方法が有効です。
空調効率が悪い
外気の影響を受けやすい点に関連して、室内の空調が効きにくいデメリットもあります。
暖かい空気は空間の上部にとどまる性質があるため、エアコンを入れても設定した温度になるまで時間がかかり、なかなかエアコンが効かないと感じることも多いでしょう。エアコンの効きが悪くなれば、稼働時間が増えて光熱費も上がってしまいます。
空調環境改善のためには、エアコン選びからこだわりましょう。吹き抜けを設置するリビングでは、実際の広さより大きな間取り向けのエアコンを選ぶのが得策です。広めのタイプを選ぶことで効きを速められて、結果的に費用を抑えられます。たとえば12畳のリビングなら、14〜16畳用程度のエアコンが適しているでしょう。
また、床暖房の設置やサーキュレーターの設置も検討します。床暖房によって冬場に感じる足元の冷えを軽減でき、サーキュレーターであれば室内の空気を効率よく循環できて、空気が上部にとどまるのを防げておすすめです。
音が響きやすい
吹き抜け空間ではリビング内の音が上階に響きやすく、家族が立てる生活音がときにストレスとなるケースも珍しくありません。
たとえば、夜遅くまでリビングでテレビを見ている家族がいて2階にいる子どもが眠れなかったり、帰宅が遅い家族がいると足音や調理の音が気になったりします。あるいは、家族やゲストの話し声で読書や勉強への集中力が低下してしまうこともあるでしょう。
家庭内で大きくリズムが異なる人がいると、それぞれが気持ち良く過ごせなくなり、ストレスを感じる原因になってしまう可能性もあります。
吹き抜けからの防音対策としては、個室の防音性を高めることや窓を小さくするといった方法が挙げられます。防音性の高いドアや壁材を取り入れたり、2階部分には音の広がりが少ない細窓を取り付けたりといった対策が有効です。また、吹き抜けと寝室や個室が遠くになるよう2階の間取りも工夫して配置するのもおすすめです。
吹き抜けのあるリビングの建築実例
最後に、吹き抜けのあるリビングを実際に活用した住宅の事例をご紹介します。内装のこだわりだけでなく、機能面にも配慮して設計された吹き抜けをご覧ください。
吹き抜けリビングがある美術館のような住まい
洗練されたホワイトの壁が印象的なこちらの邸宅では「生活感を感じさせないデザイン」をベースに、落ち着いたリビングを設計しました。
吹き抜けならではの開放感を実現しつつも、ダイニングがリビングから見えないようにプライバシーにも配慮しています。また、エアコンも隠してよりゆったりとした空間になるよう意識しているのがこだわりのポイントです。
吹き抜け上部に設置された大きな窓を通して、心地の良い光が入り、室内からも雲を眺められるアート空間のような設計です。
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リビングに吹き抜けを設けた遊び心のある住まい
こちらの邸宅は、広々とした吹き抜けとデザイン性の高い壁をマッチさせたモダンなリビングに仕上げました。
リビング内にある壁は、そのまま登って上階に上がってこられるよう突起を設置し、クライミングウォールとして活用できます。ウォールのバック部分には間接照明が設置されており、オブジェ作品のような印象も与えているのが特徴的です。
吹き抜けの先にある上階には、開放感のある書斎を配置し、家族時間をより濃密に過ごせる工夫がちりばめられています。
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吹き抜けを通して家族の気配が感じられる住まい
縦の空間を有効活用して吹き抜けリビングにしたこちらの邸宅は、スキップフロアも合わせて導入しています。上階へ上がる階段の途中に約2畳の空間を設け、書斎として利用できるようにしました。
スキップフロアを吹き抜けの一部として扱っているため、プライベート空間を確保しつつも家族の気配が十分に感じられるようになっています。また、吹き抜け上部の窓からリビングにも書斎にも自然光が届き、明るく過ごせるのも魅力です。
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後悔のない設計で吹き抜けのあるリビングを快適にしよう
リビング内に吹き抜けを設置すると、開放的で居心地のよい空間に仕上がります。また、デザイン性や機能性の高い間取りも実現できて、住宅設計の幅も広がるのが魅力です。
ただし、吹き抜けによるデメリットも考慮する必要があります。マイナス部分をカバーしつつ快適な空間に仕上げるには、設計段階で入念に話し合いを重ね、家族の過ごし方に合わせた間取りにすることが大切です。
失敗のないリビングにするには、住宅設計のプロに相談してみてもよいでしょう。
ライフデザイン・カバヤでは、リビングに吹き抜けを設置したいとご検討中の方からのご相談に対応いたします。当社は、自然光や木の素材を活かした住宅設計を多数手がけており、豊富な設計アイデアをご提案可能です。
デメリットにも配慮して理想の吹き抜けリビングを完成させたいとお考えなら、ライフデザイン・カバヤにぜひご相談ください。