相続手続きの流れ

お通夜や葬儀が終わってひと段落すると、具体的な法律上の手続きや判断を行う事柄が発生してきます。手続の種類は90種類以上と多岐にわたり、下に示すように様々な手順が民法や相続税法などに定められています。

その中には期限内に定められた手続を行わないと不利益を被る手続きもあります。
そこで、最低限これらの期限を把握し、全体の流れを知っておくことが、相続という大きな問題をスムーズに解決して行くポイントといえます。

相続の手順とそれぞれの期限

相続の手順とそれぞれの期限
※配偶者の税額軽減(相続税法第19条の2)及び小規模宅地の評価減(租税特別措置法第69条の3)

相続手続き終了までの流れ

  • 死亡3ヶ月

    • 01

      死亡届/火葬許可

      7日以内

      死亡を知ったときから7日以内に届ける必要があります。
      役所へ行けば詳しく説明してくれます。葬儀社がアドバイスしてくれることもあります。

    • 02

      年金・保険の手続き

      国民年金や企業年金、生命保険等に加入している場合は、それぞれの窓口である役所、勤務先や保険会社に連絡し、その後の指示を受けます。

    • 03

      遺言書の有無の確認

      遺言書があるかどうか確認します。公正証書以外の遺言書は家庭裁判所の検認が必要となります。封がされた遺言書を勝手に開封すると5万円以下の過料に処せされますので、ご注意ください。

    • 04

      相続人の確認

      法律上、相続人になれるのは一定の親族だけになります。
      「だれが法定相続人になるのか」、「他に法定相続人はいないのか」を確認するために戸籍の調査を行います。

    • 05

      相続財産の調査

      個人の遺産を調査します。
      どのような財産が、どこに、いくらあるか、できるだけ詳しく調べます。

    • 06

      預貯金の確認

      相続の開始を受けて、金融機関は口座を凍結します。
      凍結されると自動引落がストップします。
      電気・ガスなどの公共料金の支払い、電話代などが自動引落になっている場合は、それぞれ変更手続きを行います。
      ※口座の解約や口座の名義変更を行うには、相続人全員の同意が必要となります。
      一人の判断で勝手に行わないようご注意ください。

    • 07

      相続放棄・限定相続

      3ヶ月以内

      遺産調査の結果、マイナスの財産(借金や保証人になっているなど)が、プラスの財産を上回っていたとします。この場合は相続放棄の手続きをとることで、借金を背負わなくてもよくなります。
      プラスの財産とマイナスの財産、どちらが多いかわからない場合は限定相続という制度もあります。相続放棄・限定相続は、相続の開始・自分が相続人であることを知ってから3ヶ月以内に行う必要があります。

    • 08

      遺産分割協議・協議書の作成

      遺産は、相続開始と同時に、全法定相続人が所有することになります。法定相続人全員の協議によって遺産を分割し、各法定相続人ひとりひとりの所有物になった後、それぞれ自由に遺産を処分することができます。
      ※未分割のままでは、処分や売却等を行えません。全相続人の合意をもって、遺産分割協議書を作成します。

  • 4ヶ月

    • 09

      所得税準確定申告

      4ヶ月以内

      不動産所得や事業所得など所得税の確定申告が必要な人は通常、翌年3月15日までに前年分の所得の確定申告を行いますが、個人が死亡した場合には、その年の1月1日から死亡の日までの期間の所得を相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に確定申告(準確定申告といいます)をしなければなりません。

  • 10ヶ月

    • 10

      相続税申告

      10ヶ月以内

      被相続人の遺産に対して相続税がかかる場合には、相続開始を知った日から10ヶ月以内に相続人全員が相続税の申告・納税をしなければなりません。
      相続税は相続人ひとりひとりが実際に取得した財産に対して相続税が算出されるため、申告期限(10ヶ月)までに遺産分割協議が相続人間で整っていることが前提になります。
      相続税を現金納付する場合には10ヶ月以内までに納税しなければなりませんが、その他の納税方法の延納や物納も申告期限(10ヶ月)までに申請書を提出し許可を受けれなければなりません。

  • 1年

    • 11

      遺留分の減殺申請

      1年以内

      民法では、法定相続人が必ず相続することができるとされている最低限の相続分(=遺留分)が保証されています。万一、遺言によって遺留分未満の財産しかもらえなかったときには、遺留分を侵した相手に対し1年以内に「遺留分の減殺(げんさい)請求」を行うことで、これを取り戻すことができます。

      遺留分の割合
      • 1/2

        通常の場合

        遺留分は被相続人の
        財産の2分の1

      • 1/3

        相続人が直系尊属
        のみの場合

        遺留分は被相続人の
        財産の3分の1

      ※なお、兄弟姉妹には遺留分はありませんのでご注意ください。

  • 3年

    • 12

      相続税の特例適用のための分割期限など

      3年10ヶ月以内

      相続税の軽減特例である「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地の評価減」「特定事業者用資産の特例」の適用は、遺産分割協議が整っていることが適用要件となっているため、申告期限(10ヶ月)までに協議が整っていない場合には、適用ができない内容の申告となります。その後、3年以内に協議が整えば、その時に特例を適用する申告内容に訂正することができます。
      相続財産を譲渡した場合の所得税の譲渡の特例(取得費加算)は、その譲渡が相続税の申告期限から3年以内に行われた時だけに限られます。

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