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注文住宅の値引き交渉は可能?デメリットと値引きに失敗しないコツを紹介
注文住宅を建てようと検討した際に、誰しもが一度は悩むのが金額です。
見積もりを依頼したけど「理想通りの注文住宅を建てるには予算が少し足りない」といったケースはよくあります。
そんな時、注文住宅はそもそも値引きできるものなのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
ここでは、注文住宅は値引きができるのか、また値引き交渉で失敗しないコツは何かなどを詳しく解説します。
注文住宅で値引きは可能?
注文住宅は一般的に値引きができないと言われています。
注文住宅は注文を受けてから一戸建ての住宅を建築するため、回収しなければならない建築費用や売れ残りのリスクがなく、値引きを行う理由がないのです。
一方で建売住宅はすでに一軒家を建築してから販売を行うため、売れない期間が長ければ長いほど値引きされる傾向にあります。
しかし、一般的に値引きはできないと言われている注文住宅でもタイミングや交渉方法を工夫することで、少額でも交渉に応じてくれる住宅会社も存在します。
ただし注文住宅の値引きにはリスクが伴うため、値引きによるリスクを十分に理解した上で行わなければ思わぬ失敗をしてしまう可能性があります。
その他の失敗例については下記記事にて詳しくご紹介しています。
注文住宅でよくある失敗例はこれ!失敗しないための対策方法も伝授します
注文住宅の値引き交渉が難しい理由
注文住宅の値引き交渉は建売住宅よりも一般的には難しく、値引きに交渉に失敗してしまうケースも多く見られます。
注文住宅はそれぞれの家庭に合わせたオーダーメイドの家をゼロから設計し、その物件に合わせた建材や設備を用意していく方法が一般的です。
そのため、値引き交渉をした際に削減する費用は工務店やハウスメーカーの利益ではなく、材料費や設備の品質を下げることになってしまいます。
他には、建築にかける工期を短くすることで人件費を削減する場合もあります。
このように、注文住宅の値引き交渉は単純に金額が安くなるわけではなく、家の品質に直結することがほとんどです。
結果として住んでみてから後悔しかねません。これが注文住宅の値引き交渉が難しいと言われる理由です。
注文住宅の値引率の相場
注文住宅の値引き交渉をした場合、工務店とハウスメーカーでどの程度値引きに応じてくれるのか、相場をみていきましょう。
工務店はハウスメーカーに比べると値引率は低い傾向にあり、相場としては最大でも3%ほどと言われています。
元々工務店の見積もりは広告宣伝費などが上乗せされておらず、原価に近しい金額で提示されることが多いためです。
また地域に密着している工務店の場合、不適切を思われる金額を提示して悪い噂を避ける傾向も強くあります。
そのため、工務店で提示された見積もりから値引きができたとしても、端数の数万円をサービスで引いてもらえる程度が多いです。
3%ほどの値引きができたら成功したと言えるでしょう。
一方ハウスメーカーは工務店に比べて値引率の相場はわずかながら高い傾向にあります。
ハウスメーカーの値引率の相場は3〜8%と言われており、会社によっては最大10%ほどの値引きに対応してもらえる場合があります。
ハウスメーカーの方が値引率の高い理由は、見積もりに広告宣伝費などの費用が上乗せされており、値引きできる余剰利益があるためです。
しかし、ハウスメーカーによっては工務店のように地域の評判を最重視していないため、建材や設備の品質を下げることで値引きに対応するケースもあり、注意が必要です。
質を落とさず値引きするためのポイント
注文住宅を建てる場合、なるべく値引き交渉はしない方が品質の良い家が建てられます。
しかし、どうしても予算の関係上、値引きが必要な場合はいくつかのポイントを押さえた上で家の品質に影響が出ないよう注意して交渉を進めるとよいでしょう。
複数社に見積もりを取る
注文住宅を建てる際、見積もりは1社ではなく2〜3社から取るようにしましょう。
この際の見積もりは、できるだけどんな家にしたいか具体的な要望を伝えることが大切です。
精度の高い見積もりでない場合、値引き交渉の際に品質や設備を下げられる余地を残してしまうことに繋がるためです。
また、見積もりを複数社に依頼していることはそれぞれの住宅会社にも伝えておくと、余分な金額を上乗せされるリスクをあらかじめ避けられます。
複数社からの見積もりが揃ったら、総額や値引額だけを見るのではなく、プランの詳細をきちんと比較するようにしましょう。
この際に見るべきポイントは、建築に必要な諸費用が全て見積もりに含まれているか、アフターサポートの費用は含まれているかです。
建築に必要な諸費用で見逃されがちなのが、配管工事やエアコンなどの設備設置費用などです。
これらの費用が見積書に含まれていない場合は、住宅会社に改めて見積もりを依頼しましょう。
このようにまずは不備のない見積もりを手配し、複数社を比較しながら品質を落とさずに値引きできる箇所があるかどうかを確認することが大切です。
契約直前に値引き交渉を行う
各社の見積もりを比較検討し、依頼する住宅会社を絞ったら値引き交渉は契約直前に行いましょう。
なぜなら早い段階で値引き交渉をしてしまうと、金額に見合うグレードに設備や建材の質を下げられてしまう場合があるからです。
一方、契約直前の値引き交渉であれば、これまでの打ち合わせで既に家の仕様や間取りが具体的になっていることから、大きく家の品質を下げられてしまうリスクを避けられるでしょう。
無理な交渉はしない
値引き交渉は100%成功するわけではないことを念頭に入れて交渉を行いましょう。
注文住宅の値引きは床面積の大きさや追加しているオプション設備の数などによって、値引きできる金額に大きな差が出るものです。
そのため、例えば「同じ住宅会社で契約した友人が100万円値引きできたから、自分も同じだけ値引きができる」といったケースは当てはまりにくいことがほとんどです。
また、無理に交渉し値引きに成功したとしても、施工する職人への支払いが十分ではなく手抜き工事に繋がるなどの危険性があります。
住宅は今後長く住み続ける大きな買い物のため、目先の金額に惑わされずに適正価格で購入し、品質を担保することも大切な要素であることを忘れないようにしましょう。
値引き交渉の結果だけで住宅会社を選ばない
値引き交渉が大きいという理由だけで工務店やハウスメーカーを選んでしまうと、家のプランや設備の内容をしっかり見ておらず、住んでから後悔する原因になりかねません。
また、値引率が良いからといって営業担当者の対応やこだわりたいポイントを妥協することもおすすめできません。
住宅会社を選ぶ際には、優れた品質の住宅を建てているか、自分の好みにあった設計ができるか、担当者とのコミュニケーションに違和感はないかなども検討するようにしましょう。
例えば、担当者とのコミュニケーションがうまくいかず要望通りの家が建たなければ、いくら安くても不満が残る結果になってしまいます。
このようなことを避けるためには、価格だけに左右されず、総合評価で住宅会社を選ぶ意識を持つことが大切です。
値引き以外でお得に家を建てる方法
注文住宅を安く建てるには、値引き交渉以外にもいくつかの有効な手段があります。
先述したとおり、無理な価格交渉は品質を下げるリスクにも繋がりかねません。
まずは以下の手段を試しつつ、最終手段として値引き交渉を行うことをおすすめします。
プラン内容を見直す
まずは、不必要なオプションや設備がないか見積書の内容をひとつずつ確認していきましょう。
プランの仕様変更や、不要なオプション設備を省いていくだけで十数万円単位のコストカットが可能になる場合があります。
この際に必要な設備までカットしてしまわないよう、生活スタイルをイメージしながら家族できちんと話し合うことが大切です。
例えばプランの仕様変更だと、玄関の敷石の種類を変える、キッチンの壁タイルをパネルタイプにする、パントリーの壁の材質のグレードを落とすなどが考えられます。
また、オプションの削除例としては、トイレカウンターをなくす、不要な壁の埋め込み棚をなくすなどがあげられます。
このように、見返してみると実は必要ない設備の削除やオーバースペックな材質の変更により、希望の予算に合わせて無理なく注文住宅を建てられる可能性が高まります。
プラン内容見直すにあたっての間取りの記事もご覧ください。
注文住宅の間取りを決める際の失敗しないポイント!
ハウスメーカーのキャンペーンを活用する
ハウスメーカーによっては期間限定で定期的な値引きキャンペーンを実施している場合があります。
キャンペーンによる値引きは家の品質を落とさずに価格だけを単純に下げている場合が多いため、安心して安く家を購入する有効な手段です。
工務店ではキャンペーンを実施するケースは少ないですが、ハウスメーカーで注文住宅を検討している場合は、キャンペーンを利用すると適正価格よりも安く品質の良い家を手に入れられるでしょう。
紹介制度やモニター制度を利用する
住宅会社によっては、紹介制度やモニター制度で通常の価格よりも安く家を建てられるプランがあります。
紹介制度とは、過去に同じ住宅会社で家を建てた知人から紹介をしてもらうと割引になる制度です。
また、モニター制度は、施工中の家の写真を営業資料として提供する場合や、完成した家を見学できるよう一定期間提供することで受けられる割引です。
過去に知り合いが建てた注文住宅で気になる会社がある場合や、入居までに期間の余裕がある場合などはぜひ積極的に利用することでお得に家を建てられるでしょう。
設計や間取りを工夫する
設計や間取りを工夫して建築費用の総額をコストカットする方法も、安く家を建てる工夫のひとつです。
最もコストを抑えやすい建物は一階と二階の床面積が同じで、住宅を真上から見たときの形が四角形をしている住宅です。
四角形の住宅であれば、基礎工事費や建築費が安く抑えられるため、こだわりがない場合はなるべく四角い形の住宅に設計してもらうとよいでしょう。
また、浴室や洗面所、トイレなどの水回りの場所をひとつにまとめることでも建築費は削減できます。
これは、配管工事にかかる費用が抑えられることが理由です。
他にも、廊下などをなくし建材のコストをカットするなど、設計の時点で間取りを工夫することで建築費を大幅に削減できる可能性があります。
住宅会社とよく打ち合わせをしつつ、こだわりのないポイントでいかにコストカットできるか検討するとよいでしょう。
併せて住宅ローン控除についてもご覧ください。
住宅ローン控除(減税)とは?適用条件や計算方法をわかりやすく解説
注文住宅の値引き交渉は無理をしないことが大切
注文住宅は依頼を受けてから設計し、それぞれの家庭に合った最適な住宅を建設するものです。
無理な値引きは家の品質を低下させるリスクがあります。注文住宅で値引き交渉をする前に、まずは無駄なプランがないかどうか確認したり、値引キャンペーンをうまく利用してみたりするとよいでしょう。
ライフデザイン・カバヤでは予算内で満足できる住宅をお客様に合わせて設計しご提案しています。
費用を抑えつつこだわりの注文住宅を建てたい場合は、一度住まいの相談会にお越しください。
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