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WELLNESS RESERCH│入浴で寝付きをスムーズに

2021.06.14

  日本人には風呂好きが多いですが、その入り方次第で寝付きがよくなったり、悪くなったりすることがあります。 眠る前は少しぬるめの38~40℃の湯に10分~20分ほどゆっくりとつかるのがよいとされます。熱い風呂に入るとスカッとした気分になるかもしれませんが、寝付きにはむしろ逆効果。寝る前に42℃を超える湯につかると、寝床に入っても体温がなかなか下がらず、交感神経系の活動も活発になって目がさえて眠りにくくなります。一方、寒い季節や冷え性の方にはややぬるく感じるかもしれません。そんなときは、湯温が上がりすぎないように気を付けながら、少し調整してみるとよいでしょう。 ぬるめの風呂で全身が温まると、末梢血管が広がって血液の循環がよくなります。皮膚の表面から熱の放散がすすむため脳や体内部の温度が下がりやすくなります。また、入浴には体と心をリラックスさせる働きもあります。リラックスできれば覚醒から睡眠へ移りやすくなります。 入浴に適した時間帯は寝る30分から1時間前。入浴で上がった体温が下がってくるときが就床のタイミングです。夕方や早い時刻の入浴ではその恩恵が受けられません。風呂から出て一息ついた頃、眠気を催したタイミングで寝床に向かうようにするとよいでしょう。 入浴で血行がよくなると発汗が進みます。そのうえ、睡眠中には約コップ一杯分の水分が体から放出されます。入浴の後は水を少し飲んでから床に就くようにしましょう。入浴で失った水分を眠りに備えて補っておくためです。 どうしても熱い風呂でないとダメだという場合は夕方に入ることをおすすめします。就床の3時間までの入浴だと、熱い湯でも眠りに悪影響はありません。 朝風呂を浴びる場合は湯温を少し高めにします。熱い風呂を短時間で済ませると覚醒度が高まります。サッと「カラスの行水」で済ませましょう。朝からぬるい湯にゆっくりつかると覚醒度が上がりにくくなります。せっかく起きたのに再び眠気を催してしまうこともあります。熱めのシャワーや朝のシャンプーでも十分に目覚まし効果があります。寝起きがスッキリしないときには積極的に活用してみましょう。  
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