Column コラム
中庭のある注文住宅とは?メリットや気を付けるべきポイントを施工事例とともにご紹介
家族だけで楽しめる中庭は、プライバシーを確保しつつ、おしゃれな空間で豊かな自然を感じられるため、憧れを抱く方も多いでしょう。
しかし、中庭の設置には注意点もあります。
そこで本記事では、注文住宅で中庭を設置するメリットや、気をつけるべきポイントをわかりやすく解説します。中庭のある住宅の施工事例も載せていますので、設計イメージを膨らませましょう。
中庭とは?パティオとどう違うの?
中庭とは、建物の中心部分などの敷地内に設置されている庭を意味します。中庭の周囲を外壁で囲い、屋根のない空間にするのが一般的です。
建物の外にある空間ではあるものの、敷地の外からは見えにくく、プライバシーが確保されてい流のが特徴です。一戸建てに中庭をつくる場合は、住宅を「ロの字」「コの字」「L字」の形状にしたうえで設置するのが基本です。
また、狭小地の場合は中庭ではなく「坪庭」と称されることもあります。他にも似た言葉として「パティオ」がよく挙げられますが、パティオはスペイン語で中庭や裏庭を意味しています。どの国の様式を参考にするかで完成イメージは変わるものの、両者に明確な違いはなく、双方とも同じ「中庭」と考えて問題ありません。
中庭の間取りがある家のメリット
中庭がある家は、見た目がおしゃれなだけでなく、機能面でも多くのメリットがあります。この項目で、中庭のメリットを改めてチェックしておきましょう。
光が取り入れやすく、風通しが良くなる
中庭は、採光や風通しの確保に役立ちます。中庭の設置によって住宅の表面積が増えるため、日光や風を取り込む窓や出入り口といった開口部を作りやすくできるのです。
中庭のない住宅では南向きに庭を設置して、南の窓から日光を室内に届けるため、北側の部屋は暗くなるのが一般的です。しかし中庭があれば、どの方位の部屋にも南向きの面ができて、同じように日が差し込みます。そのため、住宅の向きや近隣の環境に配慮して形状を決める必要がなくなります。
また、中庭と面している窓や出入り口を通して換気もしやすく、風通しのよい清々しい空間設計が叶います。
プライバシーの確保がしやすく安心できる
中庭のある住宅は中庭を建物が囲っている形状のため、屋外でありながらもプライベートな空間が作れます。
近隣住宅や通行人の視線を気にせず、洗濯物を干したり、家族でのんびりしたりできる環境がある安心感は大きいものです。
特に子どもと遊べる点に魅力を感じる方は多いでしょう。中庭は子どもの様子を周囲に見られにくいうえ、室内からでも子どもの様子を確認できます。夏にはプールやバーベキューなども自宅で楽しめて、レジャー活動の幅も広がるでしょう。
また、中庭があると住宅の開口部が中心に向くため、特に住宅が多く立ち並ぶ都市部では、プライベートを見られる不安を軽減できます。
開放感のある空間設計ができる
中庭があると、室内と外が緩やかにつながり、開放感のある空間が仕上がるでしょう。
住宅形状は、中庭を中心に3方面を外壁で囲む「コの字」、全面を囲む「ロの字」、部分的に囲む「L字」のいずれかを採用するのが一般的です。これらの形状にすると、LDKや書斎などどの部屋からでも中庭の風景や空気を味わえて、目にも心にもやさしい空間が完成します。
さらに、中庭にウッドデッキやテラスを設置することで、室内と外の境界線があいまいになり、室内の内装と合わせて統一感のある空間にデザインできるでしょう。リビング床とテラスの高さを同じにしたり、広めの軒を設置することで、室内からすぐにテラスに出られるため、家事の効率化も期待できます。
中庭の間取りがある家の気を付けるべきポイント
中庭のある家を設計する際には、注意点があることも理解しておく必要があります。デメリットを補う方法も考えながら、理想の間取りを追求しましょう。
建築コストが高くなるため、土地にあった中庭プランを考える
中庭のある2階建て住宅は、通常の2階建てよりも建築コストが高くなる傾向があります。なぜなら、住宅形状が複雑になることで壁や屋根などの基礎工事面積が増えてしまうからです。
注文住宅の建築費用のうち、基礎工事にかかる費用は大きな割合を占めています。そのため、ロの字やコの字など外壁の多い住宅デザインは、建築コストを高める要因になるのです。
費用を抑えるためには、住宅形状を複雑にしすぎないことが大切です。たとえば、正方形や長方形などの箱型ならシンプルなデザインのため、基礎部分のコストを下げられるでしょう。
中庭のある家を建てるには、見た目や機能面を意識した形状選びも大切ですが、コストとのバランスを考えることも重要です。予算を守りつつも快適に暮らせる間取りを、入念に話し合って決めましょう。
湿気や虫対策をする
中庭のデメリットとして、中庭部分に湿気がこもりやすい点が挙げられます。中庭に湿気や熱がこもれば、水はけが悪くなり、水たまりや害虫も発生するため、衛生面でも不安が生じる可能性があるでしょう。また、建物の中心にたまった熱は、中庭と面している部屋にも届くため、夏場は暑くなる傾向があります。
そこで、湿気や熱・虫への対策をあらかじめ考えておくことが大切です。
たとえば、中庭にたまった水が下水に流れるような排水設備を設けたり、落ち葉や土で排水溝が詰まらないようなメンテナンス方法を決めておくとよいでしょう。また、室内も断熱性ガラスの窓に変えたり、空調設備を整えたりする必要があるでしょう。
快適な中庭を維持するためには、設備の導入や毎日のメンテナンスが欠かせません。
生活動線を工夫する
中庭のある家では、住宅の中心部分に中庭を設置するのが一般的です。そのため、生活動線が長くなる傾向があります。
通常の2階建て住宅なら、玄関からすぐにLDKに行ける間取りでも、中庭つきの住宅だと廊下をぐるっと回ってから部屋に行く間取りになってしまう可能性があります。晴れの日であれば中庭のウッドデッキを経由する方法もありますが、悪天候時にはそうはいきません。
日々の掃除や洗濯・部屋への移動などちょっとした家事や動作に不便さを感じて、ストレスがたまってしまう可能性も考えられます。そのため、住宅の見た目だけでなく生活のしやすさも考えて、水回りコーナーをまとめるなど、家事を効率化できる動線づくりを意識しましょう。
中庭のある注文住宅の間取りと施工事例
最後に、中庭のある家を実現した方の実際の施工事例を紹介します。見た目の美しさはもちろん、暮らし心地へのこだわりにも着目してご覧ください。
中庭と薪ストーブのある、暮らしのなかに憩いの時間が生まれる平屋の注文住宅
こちらは、住宅をコの字にして中心部分に中庭を設置した平屋邸宅です。
中庭にはリビングとつながる屋根つきのウッドデッキを採用し、中と外がひとつながりになるような空間に仕上げています。また、中庭のプライベート感が保たれるよう目隠しを設置して、子どもの遊びも安心して見守れる設計です。
快適さと機能性の両方を追求した中庭が、家族にくつろぎの時間を与えています。
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中庭と薪ストーブのある、暮らしのなかに憩いの時間が生まれる平屋の空間設計―
暮らしそのものからシンプルな美しさを追求した、中庭のある注文住宅
リビングとつながる広々とした中庭空間が特徴的なこちらの邸宅は、シンプルな設計で機能性を充実させています。
中庭の設置場所は外からも見える場所ですが、目隠しを設けて視線が気にならないように工夫されています。また、直射日光が当たらない設計で、家族で外遊びをしても気持ちよく過ごせるのがポイントです。
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中庭が光と風を運ぶコの字型の注文住宅
こちらの邸宅はコの字型で、中心にある中庭は住宅の外観にも映える落ち着きのある佇まいです。
開口部にはウッドデッキを設置し、木の風合いを活かしたダイニングの内装とも統一感があります。中庭の緑が季節ごとに変化する景色を楽しみつつも、開口部の大きな窓で採光や風通しもしっかりと確保できるため、快適度も向上しています。
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中庭のある注文住宅ならライフデザイン・カバヤにご相談下さい
中庭は、家族が集う憩いのプライベート空間としてはもちろん、部屋全体に光や風を届けてくれる快適空間としても利用できる、魅力的な住宅デザインのひとつです。しかし、建築コストやメンテナンス、生活動線の点では間取りや設備の工夫が必要で、想定より暮らしにくくなるケースも考えられます。
美しく快適な中庭住宅を実現するためにも、入念なリサーチやこまかいところまで追求する姿勢が欠かせません。
ライフデザイン・カバヤなら、失敗のない中庭住宅の設計にお力添えできます。
当社は、木材や自然の風合いを活かした住宅設計を得意としており、中国ブロックビルダーランキング6年連続No.1(※2016~2021年度 住宅販売総合部門 住宅産業研究所調べ)を獲得するなど実績も豊富です。
中庭のある家についても多数の施工事例があり、自信を持って相談をお受けできます。まずはお気軽にご相談ください。