近年の平屋住宅は、スタイリッシュなデザインから若い世代からも注目されています。しかしながら、二階建てのほうがまだまだメジャーな印象があるため、平屋にどのような特徴があるのかよくわからない、という方もいるでしょう。

そこで今回は、平屋のメリットやデメリットをわかりやすくまとめて紹介します。

二階建てと比べたときの税金の違いや、納得のいく平屋を建てるコツも合わせて解説していますので、平屋建築についてじっくりと学んでみましょう。

平屋とは

平屋とは、階層が1階しかない住宅のことです。屋内には階段を設置せず、ひとつのフロアにすべての部屋を集約します。

平屋は昔から日本で愛されてきた住宅スタイルであるため、古臭いイメージがあるかもしれませんが、現代では外観もモダンで屋内も広々とゆとりを感じられるような設計の住宅も登場しています。また、ライフステージに合わせてバリアフリー住宅に変える必要がなく、いつでも家族の存在感がわかる平屋は、何世代にも渡って快適に過ごせるため人気です。

ただし、平屋を建築するうえで知っておくべきお金の問題もあります。そこでまずは、平屋のメリットとデメリットを一挙に見ていきましょう。

 

 

平屋のメリット

まずは、平屋のメリットを6つ紹介します。いずれも建築後の暮らしやすさに関するものです。平屋はそこで暮らす人々に、やすらぎや安心感を与えてくれます。

 

子供がいる場合や老後でも安心して生活できる

平屋は階段を設置しないため段差で転倒することがなく、小さな子供や年配の親と同居しても安心です。

もし二階建ての住宅を建築した場合には、ライフスタイルの変化によって段差をなくしたり、スロープを付けたりする可能性もあるでしょう。平屋においては、バリアフリー住宅にするにしても大幅な工事をする必要がないため、最初から家族全員が安心して暮らせます。

 

動線がシンプルで家事がしやすい

生活動線をシンプルに設計できる点もメリットです。二階建ての場合は部屋を上下に分けるため、掃除や洗濯物の移動などちょっとした家事でも階段の上り下りが発生します。

一方で平屋は、日々の家事もワンフロア内の移動で完結するため、時短につながり作業を効率化できるのです。たとえば買い物から帰ってきて玄関からキッチンまでを直通にしたり、水回りを一カ所にまとめたりすれば、余計な移動を減らしてすぐに次の作業に取りかかれるでしょう。

 

地震でも倒壊の心配が少ない

住宅全体の構造でも、平屋には安心できる要素があります。平屋は二階建てよりも高さがなく、建物の重量も小さいため、地震のときに揺れが大きくなりにくいのです。

地震は重量のある建物のほうが揺れが大きくなりやすい傾向があります。そのため、地震の多い日本で、耐震性の優れている平屋に住むだけでも、不安が軽減されるでしょう。

 

家族とのコミュニケーションが取りやすい

平屋は、すべての間取りが一階に集約されているため、家族の気配を感じやすいです。

たとえば家族が帰ってきたときに必ずリビングを通るような設計にすれば、顔を合わせる機会も増えて自然にコミュニケーションを取る時間も増すでしょう。また、家族の体調が悪いときにも、看病や介護などをスムーズにおこなえます。

 

階段が必要なく、部屋を広くしやすい

二階建て以上の一般的な住宅では、階段を設置するのに住宅の1割以上の床面積が必要です。しかし、平屋なら階段を設置する必要がなく、階段の分まで広々と部屋の一部として使えます。

一部屋あたりの広さも増えるため、二階建て以上では難しかった余裕のある間取りも実現できるでしょう。

 

メンテナンスコストが安く抑えられる

住宅は定期的なメンテナンスが必須ですが、修繕や補修の際にも平屋は恩恵をもたらしてくれます。

たとえば、外壁や屋根の修繕です。二階建て以上の場合は、補修をするにも足場を設置して多くの人件費や材料費を割きます。一方で平屋は足場も不要ですし、人件費も二階建てほどかからないケースが多いです。

ある程度居住年数が経過しても、メンテナンスコストを安く抑えられるのは平屋の大きなメリットでしょう。

 

平屋のデメリット

次に、平屋のデメリットを4つ解説します。デメリットはコストや設計上の問題など、建築前から考えておくべき要素が多いです。

 

建築費用が割高になる場合が多い

平屋は二階建てよりも建築費用が高くなるといわれています。理由は、土地と接する基礎部分や外壁・屋根の面積が二階建てよりも広くなってしまうからです。

たとえば屋根の場合なら、二階建ての2倍の大きさが必要だとされています。住宅建築の費用は外観部分が大きな割合を占めているため、外観が大きくなってしまう平屋はどうしても割高になります。

 

広い土地を用意する必要がある

建築費用と合わせて注意したいのが、土地代です。

平屋は二階建てよりも広い土地を用意する必要があります。二階建てでは上下に分けて設計するため、一階部分の敷地があれば建築できますが、平屋では二階に相当する分まで土地を用意しなくてはなりません。

また、住宅建築には建ぺい率が定められており、土地に対して事前に決められた割合のみを住宅にできます。仮に50%だった場合は、土地の半分だけしか住宅に利用できません。そのため、建ぺい率も加味しながら満足のいく広さの土地を準備する必要がある点は、デメリットとなるでしょう。

 

採光を確保するのが難しい

建物の高さが低いことで室内に自然光を届けにくくなる点も、平屋のマイナスポイントになるでしょう。

周囲に高さのある建物が多かったり、部屋数の多い間取りにしたりすると、平屋の中心部には十分に日光が届きません。風通しの点でも同様で、住宅全体の換気が難しい場合もあるかもしれません。

間取りや窓の設置を工夫することで改善は可能ですが、一般的に日当たりや風通しの悪さは平屋の不満点とされています。

 

防犯面に不安が生じやすい

平屋は防犯面で二階建てよりも注意が必要です。

具体的には、不審者が逃げやすいことから、空き巣に狙われやすいことが考えられます。また、立地や間取りによっては、外から中の様子が見えてしまいプライバシーが気になるケースもあるでしょう。

ただし、防犯対策や目隠しできる間取りにすることで、防犯面での不安は軽減できます。

 

平屋と比較！二階建ての特徴

ここからは、度々比較してきた二階建ての特徴を改めてチェックしましょう。二階建ての特徴を知ることで、平屋との違いもより一層理解できます。

 

狭小住宅でも生活空間を広くできる

二階建ては、狭い土地でも住宅を建てられるのが特徴です。また、縦に空間を広げるぶん、部屋を分散でき、それぞれを広く取れる点も魅力でしょう。

同じ数の個室を設計する場合、平屋では大きな土地を用意する必要がありますが、二階建てなら少ない広さでも建築が可能です。

 

プライバシー空間を確保できる

階層を分けると、家族間のプライバシーも確保できます。また、二階建ては高さがあるため、外からの視線も平屋ほど気になりません。

これなら家族が増えたときに二世帯住宅にすることも可能で、お互いの居住空間を上手に分けて一緒に暮らせます。

 

水害に強く、地震や台風に弱い

二階建ては、洪水などの水害発生時に避難しやすいのが特徴です。

平屋の場合は床上浸水すると住宅全体が水に濡れてしまうのに対し、二階建ては大規模でなければ二階部分は守られます。そのため、いざというときは二階へ避難して水害を乗り切ることも可能です。

しかし一方で、平屋のメリットでも紹介したように、地震や台風による揺れには弱い点が挙げられます。建物は重量が大きくなればなるほど揺れを感じやすくなるため、縦に大きい二階建ては平屋よりも地震や台風による揺れを認識しやすいのです。

 

平屋と二階建ての税金の違い

二階建ての特徴を見てきましたが、税金の観点ではどうでしょうか。ここでは、平屋と二階建ての税金の違いについて解説します。

 

総坪数が同じ場合は平屋のほうが固定資産税が高くなる

住宅を保有していると、固定資産税や都市計画税が発生します。そして、平屋と二階建てでは平屋のほうが固定資産税が高くなるとされています。

なぜなら、平屋のほうが住宅の資産価値が高いと評価されるためです。固定資産税は、住宅の資産価値に合わせて算出されます。同じ土地・同じ坪数であっても、屋根や壁に使われている材料が平屋のほうが多いため、資産価値はそのぶん高くなるのです。

ただし、居住地によっては二階建てのほうが固定資産税が高いケースもあるでしょう。一般的に土地の評価額は都市部のほうが高く、地方のほうが安くなるため、同じ坪数でも都市部の二階建てが平屋を上回る金額になる場合もあります。

 

平屋で固定資産税を抑えるポイント

平屋でも固定資産税を削減する方法はもちろんあります。具体的には、家を木造建築にしたり、シンプルな外観にするなどの工夫が挙げられます。

コンクリートよりも安価な木材を使用することで、資産価値は低くできます。平屋の構造上、木造でも十分な安定性は期待できるため、木造でも問題はありません。屋根や外壁を大きくしない工夫としては、見た目を箱型のシンプルな形状にするのもおすすめです。

また、土地にかかる税金を抑えるには、土地代の安い地域に住宅を建てるのもコストダウンにつながるでしょう。

なお、平屋の費用について、別の記事で詳しくまとめていますのでご覧ください。

平屋は二階建て住宅よりも費用が割高？理由や安く抑えるコツを紹介

 

メリットを活かした快適な平屋を建てるコツ

最後に、これまで紹介したメリットを活かしながら快適で過ごしやすい平屋を建てるためのコツを3つ紹介します。平屋の設計をする際には、ぜひ参考にしてください。

 

採光を確保できる設計にする

まずは、日当たりや風通しの問題を解消できる設計にすることです。

周囲に住宅が少ない場所を選んだり、窓や換気口の場所を工夫したりすれば、平屋でも十分に採光が期待できます。外壁や屋根の形状・窓材を変えるだけでも、マイナス部分をプラスに転換できるでしょう。

 

土地選びに注意する

次に、土地を建てる場所を吟味することです。住宅を建てる場所や建てる向きによっても、暮らしやすさは大きく変動します。

交通量や人通り、周辺の住宅環境などを事前にしっかりと調査しておき、平屋のよい部分を活かせる土地を選びましょう。

 

プライバシーを確保できる間取りにする

最後に、家族間のプライバシーを守れる間取りになるよう工夫することです。

平屋は家族との距離感が近いことが良い点ではあるものの、かえってそれがストレスになる場合もあります。

そこで、ひとりの時間も取れるよう落ち着いた個室を設計するなどして、個人のプライバシー空間も確保しましょう。後悔のない間取りを実現するには、専門家の意見も聞きながら事前に家族でよく話し合うことが大切です。

 

平屋を建てるならライフデザイン・カバヤにお任せください

平屋のメリットやデメリットをさまざまな視点から解説しました。

平屋と二階建てはそれぞれに特徴があり、どちらにも利点があります。しかし住宅を平屋にするかどうかは、デザインや間取りだけでなく、建築予定地の周辺環境や土地価格などもよく調査しながら総合的に考えていくことが重要です。

ライフデザイン・カバヤは、平屋建築を検討する方に、役立つ情報も交えながら客観的な視点でアドバイスをしています。

相談会で気になる疑問にお答えしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

ご相談はお近くのイベント会場をご利用ください。来場が難しい方は、電話やWeb相談会にて、ご連絡をお待ちしております。

 

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