Column コラム
和モダンリビングはどうつくる?ポイントや実例を紹介
近年の住宅は、日本古来の「和」とおしゃれで落ち着いたデザインの「モダン」をミックスさせた和モダンが人気です。とくに、和モダンな雰囲気をまとったリビングに憧れて、インテリアに取り入れたいと考える方が急増しています。
しかし、和モダンな間取りやインテリアを美しく仕上げるには、どのような点に工夫すべきか曖昧な方も多いでしょう。
そこで本記事では、和モダンなリビングをつくるための間取りポイントをわかりやすくお伝えします。
和モダンとは?
和モダンは、その名の通り「和」と「モダン」をかけ合わせたデザインのことです。インテリアの世界で和モダンを取り入れると、古き良き日本の伝統的な雰囲気と、都会的でおしゃれな雰囲気がミックスされて、より整然と美しい空間に仕上がります。
和モダンは国内外を問わず注目されており、ホテルや旅館・飲食店などで幅広く取り入れられるスタンダードな様式です。近年は、一般住宅でも和モダンを意識して外観や内装を仕上げる家庭が増えており、日常生活の中でも洗練された空間を楽しめるようになりました。
おしゃれでかっこいい!和モダンリビングの作り方
和モダンを存分に味わえる場所としておすすめなのが、「リビング」です。ここでは、和モダンなリビングを作るためには必要な間取りのポイントを解説します。
広い空間づくりを意識する
和モダンなリビングを設計する上で大切なのが、開放的な空間づくりです。
一般的なリビングでは、テーブルやチェア・ソファなど大きな家具をバランスよく設置して内装を整える必要があります。しかし和モダンなリビングでは、なるべく背の高い家具を使わず、空間に余白を作るのがポイントです。
例えば、床に近いローテーブルや足の低いソファを取り入れて視線を低めにすると、空間全体が広く見えます。棚も左右非対称なものを選ぶことでリビングに心地の良いリズム感が生まれ、より和モダンな印象をプラスできるでしょう。
インパクトのある天井デザインにする
天井設計も和モダンな雰囲気づくりには欠かせません。低めの家具で空間に広がりを持たせるだけでなく、天井を高く見せる工夫を施すと、洗練された空間に仕上げることが可能です。和モダンと相性のよい天井デザインとしてよく用いられるのが「勾配天井」です。勾配天井は傾斜のある天井で、吹き抜けのような開放感を得られます。
柱や梁をむき出しにするスタイルと組み合わせると、よりダイナミックで高級感のある天井を演出できるでしょう。古民家リフォームの際には、あえて古い柱や梁を残して間取りに活かす事例も多くあります。
土間リビングや中庭を工夫する
ワンフロアのリビングに土間をプラスしたり、中庭を設置したりする間取りも和モダンな雰囲気づくりに向いています。
土間はリビング内で床材と素材を変えて設けるプラスアルファの空間で、見た目がおしゃれになるのはもちろん、実用的に活用できる点も魅力です。ペットと遊ぶ空間や、ストーブや七輪を置く場所、DIYや趣味の作業スペースなど幅広い用途で利用できます。
一方で中庭も、リビングから上質な景観を眺められ、四季の移ろいを味わえるでしょう。また、緑の風景が見えることで室内の開放感も倍増します。
和モダンリビングをさらに上品にするポイント
ワンランク上の和モダンなリビングを完成させるには、どのような点に工夫したらよいでしょうか。上品な雰囲気を高めるために必要なポイントを5つ解説します。
まずはコンセプトを決める
ひとことで和モダンと言っても、そのデザインはさまざまです。どのようなコンセプトにするかによって、完成後のイメージも大きく変わります。
そこでまずは、コーディネートの指針となるコンセプトを固めましょう。和とモダンはどの程度の割合でミックスさせるのか、自分が考える和風やモダンとはどんなものなのかをこまかく洗い出していきます。
古民家や高級料亭のような雰囲気を目指すなら和の比率を高め、和風カフェやカジュアルな和室ホテルのイメージに近づけるならモダンを多めにするのがよいでしょう。双方のバランスを調整しながら、理想のイメージを考えていくのがおすすめです。
日本家屋ならではの畳を活用
ひとつ取り入れるだけでガラッと和の空間にできるアイテムとして、畳が挙げられます。畳は和室によく活用され、日本らしい雰囲気を演出できる素材としてメジャーです。また、畳にはさまざまな種類があり、縁のないタイプや2色を組み合わせたデザイン畳などがあります。モダンと掛け合わせるなら、あえてデザイン畳を活用してみるのもよいでしょう。
リビング内に小上がりとして畳の空間があれば、客間や子どもの遊び場など幅広い用途で活用できます。
モダンを感じさせる家具や間接照明を選ぶ
モダンな家具や間接照明を使い、空間に一体感を与えるのもおすすめです。
家具は多数置かず、シンプルなデザインや素材のものを厳選して設置することで、和風な内装とも自然にマッチします。素材は、ガラスやレザー・金属・大理石などを選ぶと高級感のある大人な雰囲気にできるでしょう。カラーリングは、日本の伝統色とも合うモノトーンがぴったりです。
間接照明は、明るい電球色ではなく暖色系のやわらかい光を放つもののほうが、和モダンな雰囲気に近づきます。間接照明の素材は、和紙や木材・絹などナチュラルな雰囲気を感じられる素材を選ぶと、「和」「モダン」の双方と相性が良くなるでしょう。
和風テイストな壁紙もおすすめ
壁紙も和モダンな空間作りには、こだわっていただきたいポイントです。壁紙は、室内空間の大部分を占めており、部屋の第一印象を決めるといっても過言ではありません。
そこで、壁紙も和風なデザインや素材・カラーを選ぶようにしましょう。和風なイメージを与えられるデザインや色・素材の例は以下のとおりです。
・桜・梅・竹・川・波など自然を表現するもの
・淡い色合いの紫や緑・赤など日本の伝統色
・珪藻土や漆喰
ただし、柄物を選んで派手な印象となる場合には、部分的にアクセントとして利用するのがよいでしょう。
意外と重要!マッチするカーテン選び
壁紙と合わせて意識したいのがカーテンです。カーテンも、閉め切ることが多い夜の時間帯には部屋の「顔」となる重要なパーツといえます。淡い色合いやアースカラー・無地・主張の少ない柄物のカーテンが、和モダンなリビングとの相性が良くおすすめです。
また、横開きのカーテンだとモダンなイメージが強すぎる場合には、あえてカーテンを使わず、ロールカーテンや障子を活用してもよいでしょう。
和モダンリビングの実例紹介
最後に、和モダンなリビングを設計した住宅の施工事例を見てみましょう。いずれも、こまかい部分まで工夫が感じられるおしゃれなデザインに仕上がっています。
周囲の緑に映える和モダンな平屋邸宅
こちらの平屋邸宅では、リビング内に小上がりの和室を設置しました。2色の市松模様が引き立つ畳を採用し、モダンな要素をプラスしています。
また、勾配天井で開放感があふれるリビングには、鉄製階段や化粧梁など和モダンを感じられるパーツがちりばめられており、落ち着きを感じられる印象です。
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勾配天井や2つの和室…こだわり詰まった、和風モダンな平屋の住まい
住宅全体を和モダンな雰囲気で統一したこちらの邸宅は、LDK内に2つの和室を構えてゆったりとできる空間に仕上げています。
キッチン横の和室コーナーは、掘りごたつを採用して家族団らんのひとときを過ごせるよう設計しました。もう一方は、障子や畳が目を惹く伝統的な雰囲気に仕上げ、大きな窓から見える眺望を楽しみながら過ごせるように設計されています。
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勾配天井や2つの和室…こだわり詰まった、和風モダンな平屋の住まい
細かな要望もくまなく実現 坪庭がある和モダンの家
和の風情を活かすデザインにこだわって建てられたこちらの邸宅では、住宅の随所で和を感じられます。
リビングの家具は落ち着いた木目調の素材で統一し、ふすまや縦のラインを活かした和風の扉を設置しました。ソファには日本の伝統色である若草色を取り入れて、モダンなデザインながらもしっかりと和の雰囲気が演出されています。
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「意匠性」に富んだ、景観に映える和モダンな住まい
ナチュラルでやさしい雰囲気のリビングに和室を設置したこちらの邸宅は、スッキリとした佇まいながらも調和の取れたデザインで和モダンを表現しています。和室には高さをつけず、あえて白の壁で区切ることでリビングとの一体感も増している印象です。
カーテンは和モダンとマッチするよう無地のグレーを採用し、空間の邪魔にならない工夫が施されています。
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和モダンでおしゃれなリビングを手に入れよう
和モダンなリビングを作るには、部屋の隅々にまでこだわってバランスを整えていく姿勢が大切です。センスの良い和モダンリビングがほしいとお考えなら、まずはインテリアや設計のプロへご相談することをおすすめします。
ライフデザイン・カバヤは、日本らしい住宅建築や木の風合いを活かした設計を得意としており、これまでも多くの和モダン住宅を手掛けてきました。お客様の理想にマッチするデザインをご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。