日本の住宅の寿命は欧米に比べて低く、平均寿命は約30年と言われています。しかし、近年では日本の住宅も、技術の進化や省エネルギーを配慮して長寿命化が進んでいます。日本では昔から木造住宅のニーズは高く、環境負荷の少ない木材を有効利用することは、サステナブルな観点からも重視されています。最新技術によって、木造住宅の寿命100年も夢ではありません。今回は、木造住宅の長寿命化について解説していきます。

※日本の滅失住宅の平均築後年数は32.1年(2008年時点)

木造住宅の「耐用年数」とは?

木造住宅の長寿命化で100年住める家に。寿命を延ばすために、やるべき対策とは?

住宅の長寿命化が進む理由。

国土交通省によると、既存住宅のうち、1980年以前に建てられた住宅、つまり築42年を超える住宅はたった約20%しかありません。しかし、政府による既存住宅など住宅ストック活用の促進や、建て替えによるエネルギー消費、廃棄物への問題提起、建築技術の発展や建築材料の品質向上などにより、現在では、住まいの長寿命化が見直され、推進されています。

※参考:国土交通省|令和4年度築年代別の住宅ストック総数

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木造住宅の寿命は何年なの?

平成10年(1998年)以降、木造住宅の法定耐用年数は「22年」とされています。ただ、実際には22年を超えても快適に暮らせている住まいは多くあります。五重塔や薬師寺の東塔など歴史的な木造建築は1300年以上を経ていますが、立派に現存しています。一般の木造住宅においても、古民家など100年を超える住まいも珍しくはありません。近年は、建物の性能も進化しており、強固な地盤のもとに的確な構造計算をして建築し、メンテナンスも行えば木造住宅の寿命はさらに延ばすことができるのです。

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長く住める木造住宅を建てるためのポイント

「長期優良住宅」を目指す

「長期優良住宅」とは、2009年、国によって定められた「長期優良住宅認定制度」の基準をクリアし、認定を受けた住まいのことを言います。新築一戸建ての場合、下記の認定条件があります。これらの条件をクリアすると「長期優良住宅」として認定され、長持ちする住まいを建てることができます。

・耐震性

極めてまれに発生する地震に対し、継続して住むための改修の容易化を図るため、損傷レベルの低減を図ること(耐震等級2以上または免震建築物など)

・省エネルギー性

次世代省エネルギー基準に適合するために必要な断熱性能などを確保していること(省エネルギー対策等級4以上)

・居住環境

良好な景観の形成や、地域おける居住環境の維持・向上に配慮されていること

・維持保全計画

定期的な点検、補修等に関する計画が策定されていること

・維持管理・更新の容易性

構造躯体に比べて耐用年数が短い内装や設備について、維持管理を容易に行うために必要な措置が講じられていること

・劣化対策

数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること(床下空間330mm以上確保、劣化対策等級3相当)

・住戸面積

一戸建ては75m2以上、少なくとも一つのフロアの床面積が40m2以上あること

「気密性」と「換気システム」も考える

「長期優良住宅」の条件には含まれていませんが、「気密性」や「換気システム」も、住まい長寿命化をはかるための重要な要素です。2003年以降、シックハウス症候群の予防の観点からも、すべての建物に「24時間換気システム」の設置が義務付けられています。外気温による影響を室内に伝えず気密性を高め、さらに熱損失を抑えた「換気システム」を取り入れることで、構造躯体の劣化を早める「内部結露」を防ぐことができます。長持ちする住まいにするには、「断熱性」だけではなく「気密性」と「換気システム」もセットで考えることが重要です。

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将来的な変化に対応できる間取りにする

家の構造や性能など「住まいの丈夫さ」にこだわるだけではなく、将来を見据えて「間取り」をプランニングすることも大切です。例えば、子どもが成長した場合、あるいは子どもが独立した場合など、数年後の暮らしを想定して間取りを計画しましょう。長く住み続けるためには、家族構成やライフスタイル、ライフステージに合わせて自在に変更できるように間取りを考えることをおすすめします。

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「木造住宅長寿命化」は、建てた後も大事

こまめに定期点検を受ける

新築時に高い性能を備えた木造住宅を建てたとしても、それを維持できなければ意味がありません。きちんと住まいの定期点検を受けることをおすすめします。定期点検や長期保証などのアフターサービスを実施する会社も多くあるので、会社を選ぶ際にしっかり確認しましょう。住宅のメンテナンスは、自分では点検できない箇所や、判断しにくいケースも多くあるので、プロに点検をしてもらえると安心です。また、ダメージが浅いうちに修理をすれば、修繕費用の削減にもつながります。

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メンテナンスサイクルを理解する

木造住宅のメンテナンスは多岐にわたって必要となります。おおよそのメンテナンスの目安は、下記を参考にしてください。

メンテナンスサイクルの目安

【5〜10年ごと】

内装(壁紙)の張り替え

水栓金具の取り替えなど

 

【10〜15年ごと】

外壁塗装

ベランダ防水

外部コーキングの打ち替え

キッチン、トイレなど設備機器の取り替え

給湯器取り替え

 

【20〜30年ごと】

屋根の張り替え

外壁材の取り替え

ユニットバスの取り替え

木造住宅の長寿命化をはかる「CLT」とは?

耐震性と間取りの自由度を両立する「CLTハイブリッド構法」。

いま「CLT」という木造建築材が注目されています。「CLT」は繊維方向を直交させた複数の木材層を接着して作られるため、一般的な木材よりも強度が高く、変形しにくいという特性があります。これにより、地震や強風などにも耐えぬき、住宅の長寿命化に貢献します。また、国産木材を利用する「CLT」は、環境負荷が小さく、CO2排出量削減や森林保全に繋がる建築材です。ライフデザイン・カバヤでは、木造軸組工法を基準に、CLTパネルを耐力壁として組み込んだ新木造軸組工法「CLTハイブリッド構法」を開発しました。「耐震等級3」もの高い耐震性を保持しながら間取りの自由度も実現した、長寿命の住まいと言えます。

木造住宅の長寿命化で100年住める家に。寿命を延ばすために、やるべき対策とは?

まとめ

いかがでしたか?今回の記事では、「木造住宅の長寿命化」について解説しました。木造住宅は「長期優良住宅」の基準をクリアする、将来を見据えた間取りを計画する、さらに、きちんとメンテナンスを行うことで長寿命化は可能です。また、ライフデザイン・カバヤの新木造軸組工法「CLTハイブリッド構法」の住まいは、耐久性と間取りの自由度を両立しており、木造住宅の長寿命化を実現します。これから木造住宅を新築をする際は、長持ちする家を検討しましょう。

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