「夫婦とも和風が好きだったので」とO さん。モダンな中に和の意匠を上手くミックスされた住まいは、とても落ち着いた雰囲気に。玄関の式台や和室の床柱などには、わざわざ材木店に足を運んで選ばれたという銘木が使われており、さりげなくも印象的だ。
もうひとつ和風建築に多く見られる要素として選ばれたのが、深い軒の出。
日本の気候に適したこの伝統的な様式は、雨風から外壁を守る役目を果たしてきた。もちろん現代でも同様に、外壁の汚れや傷みを軽減してくれるだろう。そして猛暑が恒例になった昨今、夏の日差しが室内に入るのを遮る効果も見逃せないことなども、「軒の出」が見直される要因になっている。