注文住宅を建てる場合、建築費以外に土地代や外構工事費も必要です。実際に、注文住宅の費用はどのくらい必要で、住宅ローンはいくら借りることができるのか気になりますよね。費用の内訳や住宅ローンの限度額をきちんと理解していないと、後から予算オーバーになって慌ててしまうかもしれません。今回は、注文住宅を建てる際に知っておくべきお金の話を解説します。
後悔しないために。注文住宅の予算配分とは?
建物、外構、諸費用、土地の予算配分を考える
注文住宅を建てる際の費用は、家を建てる「本体工事費」、外構工事や地盤調査費など「付帯工事費(別途工事費)」、契約手数料や税金など「諸費用」の3つに分けられます。その配分は、「本体建築工事費」は全体予算の70%、「付帯工事費(別途工事費)」は15〜20%、「諸費用」は10%程度が目安となります。さらに、所有する土地がない場合には土地購入費用もかかります。本体工事や付帯工事、一部の諸費用には消費税がかかることも忘れてはいけません。
各々の具体的な費用をチェックしよう!
「本体工事費」、「付帯工事費(別途工事費)」、「諸費用」の内訳はどのようなものがあるのでしょう?その具体的な内容をチェックしてみましょう。
本体工事費
本体工事費とは、建物本体の工事にかかる費用を指し、家の広さや使用する建材・構造材によって金額が大きく変動します。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 仮設工事 | 足場、仮設トイレなど |
| 基礎・構造工事 | 建物の土台や構造など |
| 内外装工事 | 外壁、屋根、屋上防水、床、クロス貼りなど |
| 木工事 | 木材を主原料にした加工や組み立て |
| 空調工事 | キッチンや浴室など |
| 設備の設置工事 | 給排水・電気・ガス・換気・給湯などの設備機器 |
| 設計料 | ※メーカーや建設会社による |
付帯工事費
付帯工事費は、建物本体以外に必要な工事にかかる費用で、主に、庭や門扉などの外構工事、給排水工事などが挙げられます。また、土地の地盤が弱い場合には、地盤改良工事費も必要となるので注意しましょう。
| 給排水工事 | 水道管、ガス管の配管など |
| 外構工事 | 車場や造園、門、塀など |
| 地盤調査・地盤改良工事 | |
| 照明・カーテン、エアコンの取り付け工事 | |
| 太陽光発電設備。床暖房工事 | |
| 古い家の解体費 | |
| インターネット開通費 |
諸費用
諸費用とは、登記やローン、保険、税金など、工事以外で発生する費用です。後から予算オーバーにならないように、あらかじめ資金計画に組み込んでおきましょう。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 工事請負契約費 | 不動産会社や工務店との契約にかかる手数料や印紙代 |
| 不動産取得・住宅ローンにかかる税金 | 固定資産税、都市計画税、不動産取得税など |
| 登記費用 | |
| 住宅ローンに関する費用 | 事務手数料、保証金など |
| 保険料 | 火災保険・地震保険・団体信用生命保険料など |
| 式典費用 | 地鎮祭や上棟式など |
| 抵当権設定費用 | |
| 引っ越し費用 | |
| 家具等購入費用 |
土地購入費用
一般的に、土地代と建築費の割合は土地代が3~4割、建築費が7~6割程度が目安といわれています。ただし、首都圏や都市部など地価の高い地域においては、土地代は高くなる傾向があります。土地を購入する際には、土地の価格以外にも仲介手数料、契約印紙代、固定資産税日割分、所有権移転登記諸費用などがかかります。
土地を購入するなら、エリア別で予算を考えよう!
注文住宅の全国平均とエリア別平均価格は?
注文住宅を建てるために土地を購入する場合、土地の値段は全体予算に大きく影響します。住宅金融支援機構が実施する「2023年度 フラット35利用者調査」によると、住宅購入価格の全国平均は、土地付注文住宅が約4,903万円、建売住宅が約3,603万円、平均土地取得価格は約1,498万円となっています。さらに、エリアごとの平均価格は下記の通りになります。
エリア別総予算配分の考え方
土地の価格は首都圏や都市部、郊外など、どのエリアに家を建てるかによって大きく変わり、注文住宅の予算配分にも大きく影響します。一般的に、家の建築費用と土地購入費用の配分は6:4もしくは7:3がベストと言われています。下記のグラフを見ると、地価が高い「首都圏」では建築費は約60%、土地購入費は約40%であるのに対して、「その他地域」では建築費は約79%、土地代は約21%となっており、大きな違いがあります。土地代が安い郊外では建築費に予算をかけることができ、希望の家を建てやすいということがわかるのではないでしょうか。
注文住宅の予算とローンの目安は?
借りられる額ではなく返せる額で考える
一般的に、注文住宅を建てる場合の目安は、世帯年収の6〜7倍と言われています。また、住宅ローンを借りる場合、年間返済額は世帯年収の25%以内の額なら安心と言われています。ただ、実際に借りる際には、月々の無理なく返済できる金額を想定して住宅ローンの契約をしましょう。光熱費や生活費、教育費や家族との旅行、将来に必要な貯蓄などを考慮し、月々いくらなら返済できるかを考えます。
下記に世帯年収別に注文住宅の購入価格と住宅ローンをまとめておりますが、借入期間や金利によって変わってくるので、あくまでも一つの目安として見てください。
年収でみる、注文住宅の「予算相場とローン」早見表
金利1%、35年全期間固定の住宅ローン契約の場合
「予算が足りない!」を防ぐために
予算オーバーしやすい5つの盲点とは?
最後に、注文住宅を計画する際に予算オーバーになりやすいポイントを、特に多い5つの盲点に絞って解説します。
1:土地の地盤改良工事が必要になった
注文住宅を建てるための土地を購入した場合、土地によっては地盤が弱く改良が必要なケースがあり、予想外の大きな出費が発生してしまいます。購入する前に必ず確認するようにしましょう。
2:諸費用を計画に入れていなかった
手数料や登記費用など諸費用がかかることを忘れがちです。前述したように、一般的に諸費用は総費用の10%程度が必要と言われているので、しっかり確保しておきましょう。
3:外構工事の予算を考えていなかった
注文住宅の打ち合わせが始まると、どうしても間取りや内装に意識が向きがちで、外構に関しては後回しになりがちです。後から追加料金で「駐車場や庭を整える余裕がない…」という事態にならないように、予算配分をしっかり検討しておきましょう。
4:間取りや内外装、設備をグレードアップし過ぎた
「せっかくの新築だから」と夢が膨らみ、内装や外観、間取りや設備などをついついグレードアップしてしまいがちです。建物の形状をシンプルにする、部屋数を少なくする、窓のサイズが数を見直す、必要最低限の設備にするなど、全体配分を考えて、予算に見合った間取りや内外装、設備を検討しましょう。
5:エリアにこだわりすぎた
注文住宅を建てる場合、エリアは重要ですが、全体の予算を抑えるには、家を建てるエリアを見直してみるのもひとつの方法です。土地の取得費用が高くなれば、その分建築費用を抑えることも必要となります。家づくりの優先順位を改めて見直し、家を建てるエリアを再検討してみましょう。
家づくりの最中、想定外の追加費用が発生することもあります。余裕のある資金計画を立てておくことが大切です。
