敷地調査で見抜くべき「4つの落とし穴」
敷地調査の際、注意すべきポイント
家を建てた後に後悔しないために、敷地調査の際、特に注意したい敷地の特徴やポイントを、トラブル事例とともにご紹介します。
□傾斜地
傾斜地では、高低差の程度によって法的な制限を受ける場合があります。特に敷地が崖(がけ)に面している場合、一定の高さを超えるがけの上下に建物を建てる際には「崖(がけ)条例」による制限がかかります。一般的に「崖(がけ)」とは、硬岩盤以外の土質で高さ2〜3m以上、かつ傾斜30度を超える土地を指します。建築前には必ず法規制の有無を確認することが重要です。
【トラブル事例①】土地を購入してから莫大な造成工事費がかかった
価格の安い傾斜地を購入したものの、土地を平らにするために切土工事を行ったところ、新たに崖ができて擁壁工事が必要になりました。さらに残土処分費もかさみ、造成工事費用は数千万円という莫大な金額に。結果的には、最初から平坦な土地を購入した方が安く済みました。
【トラブル事例②】がけ条例を知らずに購入した
がけ地を購入してしまい、崖から一定の距離を取って建物を配置し、防護壁などを設けて土砂災害に備える必要があり、大規模な工事で建築費用も高くなりました。
□接道条件
住宅を建てる敷地は、建築基準法により幅員4m以上の道路に原則2m以上接している必要があります(第43条)。もし道路幅が4m未満の場合は、建物を道路境界から一定距離下げる「セットバック」(第42条)が必要です。これは、救急車や消防車が通行できる幅を確保するためのもので、住宅の位置や大きさに影響するため、事前に確認が必要です。
【トラブル事例③】古い住宅地にありがちな「路地状敷地」だった
先代から引き継いだ自宅の建物は相続した時、すでに築60年以上が経っていました。建て替えを考えましたが、自宅の敷地はいわゆる旗竿地。しかも通路の幅は狭く約1.8mしかなく接道義務を満たしておらず、建て替えができませんでした。
□用途地域
用途地域とは、都市計画法で定められたもので、計画的な土地開発を進めるために、建てられる建物の種類や大きさ、高さに制限がかけられています。用途地域は13種類あり、住居系、商業施設系、工業系の地域に分けられます。家を建てる予定の土地がどの用途地域なのか、事前に確認することはとても重要です。
【トラブル事例④】商業地域と知らず、家を建ててしまった
子どもが生まれたのを機に、子育てに適した自然豊かな土地に家を建てました。しかし数年経つと、大人向け娯楽施設、高層ビル、大きな工場が同じ区画に建設され、日当たりの悪さや騒音など、子育てをしにくい環境になってしまいました。
□地盤調査
「敷地調査」は登記簿などの法的な情報や周辺環境を確認する調査であるのに対し、「地盤調査」は建物を安全に建てられるかどうかを確認するために、地盤の強さを調べるものです。2000年の建築基準法改正以降、住宅を建てる際には地盤調査が必ず必要になりました。周辺のデータからある程度の予測はできますが、実際に調査をしなければ正確なことは分かりません。もし地盤改良が必要と判断された場合は、その工事費用が追加でかかります。また、地盤調査そのものにも敷地調査とは別に費用がかかるため、あらかじめ理解しておくことが大切です。
【トラブル事例】地盤改良が必要とわかり、想定外の出費が必要に
もともと畑を造成した土地のため、地盤改良は必要と聞いており、100万円を予算に入れていましたが、地中から腐植土層が発見されたため、小口径鋼管杭工法を採用する必要があり、地盤改良の工事代は200万円必要となりました。想定外の出費のため、外構工事を諦めて、費用を捻出しました。
敷地調査は立ち会いすべき?
敷地調査の立ち会いの際に確認すべき8項目をチェック!
敷地の状況や安全性について、自分の目で直接確認できるので、敷地調査に立ち会うことをおすすめします。境界線など敷地の権利に関係する部分の調査については、その後のトラブルを防ぐためにも立ち合いを希望するケースも多くあります。ここでは、立ち会いの際に特に確認してほしい8項目をご紹介します。
□境界線
境界線は、隣地との境界に設置された境界杭や境界標を目印に判断するのが一般的ですが、必ずしもこれらが設置されているとは限りません。隣地境界線には法的な効力があります。トラブルを避けるために、きちんと確認することが大切です。
□敷地の広さや形状
理想の家を建てるために、敷地の広さや形状を正確に把握することは重要です。実際に測量した敷地の面積と、登記簿上の面積(公簿面積)が一致するかを確認しましょう。公簿面積は昔の測量技術に基づくことが多く、面積が不正確な場合があり、一致しないケースもあるので注意しましょう。また、建設工事には、トラックやクレーンなど大掛かりな重機が必要です。重機の搬入が可能かどうか、間口や前面道路の広さも確認しておきましょう。
□前面道路幅
前述した通り、敷地の「前面道路」は幅4m以上必要です。4m未満の場合は、規制により「セットバック(敷地を後退させること)」をする必要があるので確認しましょう。
□高低差
隣接している道路と敷地の間に高低差があるケースがあり、斜面の崩落を防ぐため擁壁工事が必要になります。また、すでに擁壁がある場合でも、強度は十分か、排水のための水抜き穴が設けられているかなどを確認しましょう。強度が不十分な場合、擁壁工事が必要となり、その分費用もかかります。
□ライフライン
上下水道、ガス、電気、電話をきちんと使用できるかどうかは重要なポイントです。敷地内の上下水道の引き込み有無だけでなく、本管の口径も確認しましょう。本管があっても口径が細く、引き込みができないケースがあります。新規の引き込みや交換をする場合は、工事費用がかかってしまいます。
□風向きや日当たり
日当たりや風通し、部屋からの眺めなどは、住み心地を大きく左右する要素です。日当たりや風の向きは、季節によって異なります。敷地の中で、最も日当たりや眺めがよさそうな場所を調べ、間取りなどプランニングの参考にしましょう。
□プライバシー
隣の家の窓の位置、公園など不特定多数の人の出入りなど、プライバシーの観点で周辺環境をチェックするのも大切です。前面道路の交通量が多い場合、防音対策も必要となります。朝や夜、平日と休日など、時間帯や曜日によっても違うので注意しましょう。
□周辺環境との調和
家を建てるときには、街並みとの調和を考えることも大切です。外観スタイル、外壁の色や素材、庭木、塀や生け垣、門扉なども街並みを形成する大切な要素となるので、チェックしましょう。
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