家を建てる際に関わってくる「建築基準法」には、細かなルールがたくさんあります。「建ぺい率の制限で希望の間取りが実現できなかった」「高さ制限に引っかかって屋根のデザインを変更することになった」など、思い描いた家が建てられず、後からがっかり……なんてことも。そうならないためにも、あらかじめ知っておきたいのが建築基準法の制限です。今回は、その主なポイントをわかりやすく解説します。

家づくりに影響する「建築基準法の制限」

建築基準法の制限とは?知っておきたいポイントをわかりやすく紹介!

そもそも、建築基準法って何?

「建築基準法」とは、日本で暮らす国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低基準を定めた法律です。対象となるのは、建築物、敷地、設備、構造、用途で、その土地にどんな用途で、どの程度の規模の建物が建てられるのか、また建てる家の床面積や建築面積の上限は何㎡かなど、家を建てる際のさまざまなルールが定められています。誰でも好きな場所に好きな家を建てることはできないので注意が必要です。

まずは、用途地域を知ろう

家を建てようと思ったら、まずはその土地がどんなエリアに区分されているのか――つまり「用途地域」を知ることが大切です。「用途地域」とは、街づくりを計画的に進めるために、土地の使い方を住居用・商業用・工業用などに分けて決めているルールのこと。全部で13種類あり、無指定を入れると14種類に分かれています。

なぜこんな仕組みがあるかというと、住む場所と働く場所がごちゃ混ぜになってしまうと、暮らしにくい街になってしまうからです。たとえば静かな住宅街に、大きな工場や商業施設が突然建ってしまったらどうでしょう。住む人にとっては騒音や渋滞が悩みの種になりますし、工場側も近隣からの苦情に頭を抱えることになります。そこで、お互いに快適に暮らせるように配慮して決められているのが「用途地域」です。土地探しや家づくりを始めるときは、まずこの区分をチェックしておくと安心ですよ。

人が住むことを目的とした住居系の用途地域は以下の8種類があります。

  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域
  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 田園住居地域
建築基準法の制限とは?知っておきたいポイントをわかりやすく紹介!

家づくりに影響する「建築基準法の制限」とは?

家づくりを考えるとき、大きな影響を与えるのが建築に関する制限です。住宅やマンション、ビルといった建物の種類に関わらず、ひとつの建物には必ずいくつかのルールが適用されます。制限の内容もさまざまで、建物そのものに関わるものもあれば、敷地との割合から決まるものもあります。ここでは、家づくりに特に影響する代表的な7つの制限について解説します。

建ぺい率

敷地の広さに対して建物がどれくらいの面積を占められるか示す割合のことです。建物を上から見たときの“地面に映る大きさ”を建築面積と呼び、2階建てや3階建ての家でも、基本的にはいちばん広いフロアの面積を基準に計算します。建ぺい率は、土地の用途地域や建物の構造によって上限が決められています。なぜそのようなルールがあるかというと、敷地内にゆとりを残すことで、日当たりや風通しを確保できるようにするためです。また、隣家との間に空間があることで、もし火事が起きても燃え広がりにくくなるという防火の役割もあります。

容積率

「容積率(ようせきりつ)」とは、敷地に対して建物の延べ床面積(各階を合計した床面積)がどれくらい建てられるかを示す割合のことです。例えば、容積率80%の土地に100㎡の敷地があれば、建てられる延べ床面積は80㎡が上限になります。容積率は「用途地域ごとの指定容積率」と「前面道路の幅に応じて計算される容積率」の2つで決まり、より小さい方が採用されます。この制限には理由があります。防火や風通し・日当たりの確保はもちろん、建物が大きくなりすぎて人口が急に増えると、道路の渋滞やインフラ不足にもつながってしまいます。容積率をコントロールすることで、街全体の快適さや暮らしやすさが守られているのです。

建築基準法の制限とは?知っておきたいポイントをわかりやすく紹介!

斜線制限

道路の境界線や隣地境界線からの距離、真北方向への距離に応じて決められる高さの制限のことを言います。道路や隣地の日照や適度な風通しを確保することを目的としています。代表的なのは「隣地斜線」「道路斜線」「北側斜線」の3つですが、住宅街での建築で取り上げられるケースが多いのが「北側斜線制限」です。これは第一種、第二種低層住居専用地域・中高層住居専用地域で設けられ、北側の隣人の日当たりを考慮し、南からの日照の確保のために建築物の高さを規制したルールです。北側隣地の境界線上に一定の高さをとり、そこから一定の勾配で記された線(=北側斜線)の範囲内に収まるように建物を建てなければなりません。

建築基準法の制限とは?知っておきたいポイントをわかりやすく紹介!

日影規制

「日影による中高層の建築物の制限」の略で、冬至の日を基準にして、一定時間以上の日影が生じないよう、建物の高さを制限するものです。日影にかかると暗くなるので、周囲の敷地の日照を確保することを目的に、建築物の高さを制限しています。

日照時間が1年で一番短い、冬至日(12月22日ごろ)の午前8時から午後4時(北海道では午前9時から午後3時)までの間に、敷地境界線から5m〜10mまでの範囲は5時間、10m超の範囲は3時間以内など(※制限時間は地域や条件により異なります)、日影がかかってもよいとされています。この規制の対象になるのは、建てる場所の「用途地域」と建物の高さによって決まります。第一種・第二種低層住居専用地域では「軒の高さ7mを超える建物」や「地階を除く階数が3階建ての建物」が対象。それ以外の地域では「建物の高さ10mを超える建物」が対象です。

建築基準法の制限とは?知っておきたいポイントをわかりやすく紹介!

絶対高さ制限

絶対高さ制限は、第一種及び第二種低層住居専用地域・田園住居地域のみに適用される制限です。建物の高さは10〜12mまでと決められていて、周囲の住宅にしっかり日が当たること、風通しが確保されること、景観が守られることを目的に設けられています。

外壁後退

第1種・第2種低層住居専用地域で、日照や通風、採光、防災の面から良好な環境を守るために設けられた制限です。具体的には、住宅の外壁や柱面などを敷地境界から1mまたは1.5m以上後ろに下げて建てる必要があります。

防火規制

街での火災を防ぐために、「防火地域」と「準防火地域」というエリアが定められています。これは都市計画法によるもので、火災のリスクが高い駅前や建物が密集する地域には「防火地域」が、周辺には「準防火地域」が設定されることが多いです。これらの地域で建物を建てるときは、それぞれ建築基準法で定められたルールに従う必要があります。

建築基準法の制限とは?知っておきたいポイントをわかりやすく紹介!

制限があるからこそ、プロの知恵が光る家づくりを。

家づくりには建築基準法の壁がありますが、これらは決して理想を諦めるためのものではありません。大切なのは、ルールを熟知した上で土地の魅力を最大限に引き出す設計力です。

ライフデザイン・カバヤは、中四国・兵庫・九州エリアでの豊富な実績を活かし、制限を逆手に取った個性的な住まいをご提案します。スキップフロアを活用した開放的な空間づくりなど、複雑な法規制をクリアしながらこだわりを形にする工夫は私たちの得意分野です。

土地探しから施工まで専門スタッフがワンストップでサポートしますので、「この土地で理想が叶うかな?」と不安な方も、ぜひ一度ご相談ください。

次回は「建ぺい率」や「容積率」が間取りにどのような影響を与えるのか、押さえておきたいポイントをご紹介します。