室内に広がりをもたらす和室のガラス欄間や、仕切りを極力無くして開放感を強調したLDK。写真中央の木を使用したキッチンカウンターは、Tさんこだわりのオーダー。無垢の床材ともマッチして、生活感の出やすいキッチンスペースを、センスある空間に仕上げている。
立体感のあるフォルムと深い軒による陰影が、趣ある重厚感を演出する外観。
ダークブラウンをメインカラーにした重厚感ある建物の中に、一歩足を踏み入れると、趣ある坪庭とゆとりの玄関が出迎えてくれるT邸。玄関スペースの正面をガラスと坪庭にすることで、奥行きが生まれ、毎日帰ってくるたびに癒されるお気に入りの空間だという。また無垢の床の質感や風合いを存分にいかした室内空間は、自然な光沢とほのかな木の薫りに満ちた居心地の良さ。さらに天井高を2.6mと通常より上げることで空間の広がりも演出している。
生活の中心となるLDKで「参考になった」というのは、山陽新聞岡山住宅展示場(南区藤田)のモデルハウス。特にキッチンカウンターには同じものを採用し、無垢の床材になじむようコーディネート。「そこにキッチンがあると感じる空間ではなく、家具が置かれているようにしたかった」という希望通り、生活感を極力抑えながら室内に溶け込んでいる。また住まいには“和”のテイストを盛り込みたかったというTさん。障子や欄間、吊り押入れなど、和室らしさを引き立たせる要素を取り入れながら、センスある空間に仕上げた。
設計担当、コーディネーターと打ち合わせを重ねながら創り上げていった住まいの出来に、ご本人はもちろん、お子さまたちも喜んでいるというT邸。「予定していたより少し予算が高くなったとしても、自分がやりたいと思ったことは、思い切ってやった方がいいと思う。完成して後悔するよりも、真剣に迷いながら採用したものは、結果満足しています」と語るTさん。自分たちの理想を叶えながら、意匠を凝らした風格ある住まいを創り上げた。